Knock Who's There

「時間」が「ある」のは、男が存在しているときに限っての話しなのか、男がそこに居なくても(もう存在していなくても)「時間」は「ある」といえるのか?
男はバーでウイスキーの酔いに任せてそんなことを漠然と考える。ぼんやりと、その「時間」の意味が分かれば、性質や定義ができれば、男にとっての存在の意味が分かるのだろうと、考える。それを逆に言えば『時間とは何か』が分からなければ自分の存在意味が曖昧になってしまうのだろうか?先ほどそれを開けて入ってきた錆びた鉄の扉の方を見る。そのドアの「向こう側」にも時間はあるのか、流れているのか?こちら側はどうなんだ?