しゅうまつのめいろ

土よう日のじゅぎょうはごぜん中でおわる。ぼくたちはしゅうだんげこうだ。ぼくのすむアサヒ町三丁目にかえる班はみんなで5人。でもめったにおんなの子とはかえらない。だからぼくたちはいっつも3人になる。そして土よう日のかえり道はいつもの国どうじゃなくてウラミチにする。上きゅうせいのぼくが先とう。ぼくのあとについてくるのはトコヤの三男のミツオちゃんと一年せいのトシちゃん。ぼくがさそうと二人とも「うん、そうしよう」とついてきてくれる。ウラミチっていうのは学こうのうら門からすぐ左にぬけた田んぼのあぜ道のこと。べつにちか道になるわけじゃないんだけど、土よう日のかえり道はだいたいこうしてかえるのがきまりになっている。田んぼのあぜ道はたいていぬかるんでる。ぼくは先とうにたってとおる道をえらぶんだ。あまりぬかるんでないか、くつがどろんこにはいらないか、へびはいないか。えらんじゃ立ち止まり、こっち、いや、あっちってそうだんしたり、ひとり自分でずんずんえらんで進んでいったり。でも、まちがえた道をえらんじゃうとぬかるみにズックぐつ深くはいって、でらんなくなったこともある。へびをふんずけてコワイ思いもしたし、このまえはどうしてもそれいじょう進めないくらいのぬまになってて、ひきかえしてすごくたいへんな思いもした。かえる道がわかんなくなったこともある。だから先頭のせきにんはおもい。でもぼくは年長さんだからしょうがないんだ。それにうまく道がえらべて、おもわず早くかえれたことだってある。ぼくはそんな先とうのやくが少しすきかもしれない。